トヨタ エスティマ 修理
神奈川県湯河原町で車修理を行っている山本鈑金工業です。
本日は、K様よりお預かりしたトヨタ エスティマの修理をご紹介します。ディーラーさんで右スライドドア交換。スライドドア付属品多数交換。リヤバンパー交換。他部品交換・・・そのような概算見積りを提案されたそうです。(概算見積り金額、¥267,000-)
交換修理・・・トヨタのカラーはブラック(カラー番号202)。ブラック...様々な事(修理をした後に、その場所が安易にわかりやすい....パテ痩せ等のトラブル。補足ですが、このような事が他色よりブラックカラーがトラブルが多いのも事実です。)を考えれば交換見積りは間違っていないかも知れません。しかし、それは本当にお客様の為になっているのでしょうか?それしか選択肢がないのであれば良いですが、この修理は車両保険を使わずに自費修理です。
お客様には、交換を想定した概算見積りと鈑金修理の概算見積り2パターンをご提案させてもらいました。
交換見積りでもディーラーさんより4万近く安価でした。(保険修理ではなく、自費修理の交換見積りですからね。)鈑金修理の概算見積りは、半分以下です。お客様は、鈑金修理見積りでの修理を希望されました。
基本的にディーラーさんの見積りは、同じ敷地内に鈑金設備等の工場が隣接していない限りは、画像等を転送しての見積りを行っています。その時点で正式な見積りが提案できるわけがありません。工場単価も弊社の町工場と違い1時間の工賃金額も違います。
現在ディーラーさんも同社内で鈑金設備等を兼ね備えている所も増え始めてはいます。しかし、多くのディーラーさんは弊社のような町工場や提携先の鈑金工場へ運んで修理を委託しているのが現状です。
右スライドドアの画像です。
スライドドア&スライドドア下部のマッドガードパネルの損傷です。
画像ではわかりにくいですが、アウターハンドルの後ろ側(2分割なので長い部分側)も擦過痕があります。右のフロントドアのドアミラーカバーにも傷があります。
リヤバンパーの画像です。
リヤバンパー右側にも損傷が確認できます。
バンパーの塗装ですが、ボカシ塗装ではなくお客様は1本塗装を希望されました。損傷周辺のみボディカラーを塗装してクリヤーはバンパー全部に塗装する作業です。
このボカシ修理作業・・・よくある話ですが、工場の都合や安くしておきました。って説明されて施工される事が多い作業のひとつです。お客様にしっかりと説明して施工する作業は弊社でもあります。しかし、ハッキリ言いますがリスクもあります。
ボカシ作業部は経年劣化で、修理したであろう場所がわかりやすくなる事が多いです。黒系や濃色車は特に目立ちます。私達プロの目から見たらすぐに見抜きます。お車売却時での査定価格が下がったりする事もあり、結果的にお客様が損する事もございますので参考にしてください。
修理のご提案が複数ある場合は、お客様が選ぶ事ができますのでお気軽にご相談してください。
リヤバンパー&付属品を脱着してサフェーサーを塗装後の画像です。
右側の傷は、浅いので研磨してからプライマーサフェーサーを塗装しました。
この後にしっかりと専用設備で加熱乾燥をします。
右スライドドアの鈑金画像です。損傷パネル、スライドマッドガードは取り外してあります。
修理はこの段階で塗装を剥がさずに鈑金します。簡単に説明すると凹んでいるパネル部に吸盤付きの鈑金道具で作業します。この作業...簡単に見えますが、かなり難易度が高い技術です。
後に説明しますが、ここの段階でパネルを丁寧に復元しておきます。
鈑金箇所を剥がした画像です。
先程の鈑金でしっかりと復元しています。この塗装剥がしは、極力鉄板部分を削っていません。
鉄板部分(銀色)の周りをフェザーエッジと呼びます。(別のブログで掲載します)
ブラック塗装の部分と剥がしてある段階的な部分が、滑らかになっているのが特徴です。ここの段差を丁寧に滑らかにするかしないかで大きく異なり様々なトラブルを生じさせます。
パネル部の脱脂等をしっかりと行い、パテを薄く盛ってある画像です。
鈑金のごく僅かな凹凸をパテで埋めて研いだ後に、プライマーサフェーサーでしっかりとシールします。
パテ後には、しっかりと専用設備で加熱乾燥をかけてます。問題が起こるのはここです。
1.パテを作る時の硬化剤不足や硬化剤の多すぎ等でのトラブル。
2.パテをしっかりと乾燥させない研ぎ作業トラブル。(パテは乾いてる・・・の勘違いや、乾かしたつもりでも中まで乾いていない事が非常に多い重要な部分)
3.先程紹介したフェザーエッジ部の雑さが招くトラブル。
4.パテを研いだ時のペーパーの粗さが招くトラブル。
5.サフェーサーの硬化不足でのトラブル。
簡単に説明するとこのくらいです。鈑金塗装って繊細作業が非常に多いんですよ。苦笑
スライドドアのサフェーサーを研ぎ、付属品を脱着した画像になります。
サフェーサーをしっかりと加熱乾燥させてからサフェーサーを丁寧に研ぎました。
修理以外の部分に艶がないのは、塗装の為に、足付け作業をしました。アウターハンドルやバイザー、他付属品はこの時点で脱着しておきます。
スライドドア側の完成画像になります。
バイザーは再利用しました。部品交換はウインド横の縦に付いている黒いモール、アウターハンドル、スライドドア下部のマッドガード、右フロントドアのミラーカバーを交換しました。
部品交換は4点のみでした。お客様からは、部品をなるべく再利用してほしいと相談されていたので納車時にお客様からは大変喜んで頂きました。
修理していて1番嬉しい瞬間になります☆
リヤバンパー側の完成画像になります。
スライドドア後ろ側の右クォーターパネル(リヤフェンダー)部に、過去どこかで修理業者が修理した痕跡がありました。&オーロラマーク(シングルポリッシャーの研磨傷による見え方の業界用語)もありましたので、弊社がお客様へのサービスで完璧に磨き仕上げました☆
何事もなかったかのようなお車に復元しました。サービス洗車をしてからの納車になります。
この度は、湯河原町にある山本鈑金工業へトヨタ エスティマの修理をご依頼頂き誠にありがとうございました。
愛車の全力サポートをお約束します☆